乳酸菌LS1(エル・エス・ワン)の研究技術情報

乳酸菌LS1(エル・エス・ワン)は
湖池屋の特許技術により製剤化したものです

乳酸菌LS1とは

乳酸菌LS1とは

我々は口腔内疾患に対して効果のある乳酸菌として、乳酸菌LS1(Lactobacillus salivarius TI2711<ラクトバシルス・サリバリウスTI2711>)に注目した。lactoは「乳酸」、bacillusは「桿菌(カンキン:棒状の形をした細菌という意味)」、salivariusは「唾液」の意味で、この名の通り、乳酸菌LS1は健常人の唾液中に存在していた乳酸桿菌の一種で、口中での活性が高いという性質を持っている。

<乳酸菌LS1>

歯周病菌に対する効果を確認

まず最初に、乳酸菌LS1には歯周病菌に対する殺菌効果があることを確認した。歯周病の原因菌であるP.gingivalis、Prevotella intermedia、Prevotella nigrescensの3菌に、乳酸菌LS1を加えて培養したところ、乳酸菌LS1を添加しないコントロール群では各歯周病菌が増加したのに対し、乳酸菌LS1添加群では、24時間で3菌ともほぼ死滅した。

<乳酸菌LS1による歯周病菌の除菌>

歯周病菌を溶かす乳酸菌LS1

乳酸菌LS1の歯周病菌に対する除菌効果を電子顕微鏡で観察したところ、乳酸菌LS1が歯周病菌よりも早いスピードで増殖し、歯周病菌を殺菌しているのが確認できた。

<乳酸菌LS1のP.gingivalis除菌効果>

虫歯菌に対する効果も確認

次に虫歯の原因菌であるS.mutansに乳酸菌LS1を加え、濃度を変えたショ糖培養液で培養したところ、LS1を添加しないコントロール群と比較して、S.mutans菌数の抑制効果は認められなかったものの、乳酸菌LS1添加群ではS.mutansが作る虫歯発症物質である不溶性グルカンの産生が顕著に抑制されていることが確認された。

<乳酸菌LS1のS.mutans抑制効果>

虫歯菌を抑え込む乳酸菌LS1

虫歯菌に対する効果を顕微鏡で観察すると、実際に乳酸菌LS1が虫歯菌の周囲を取り囲み、虫歯菌を死滅させないが、虫歯菌の増殖を抑え込んでいることが確認できた。

<乳酸菌LS1のS.mutans抑制効果>

乳酸菌LS1は乳酸に弱い

乳酸菌は、糖類を栄養分にして乳酸を作る。当然、乳酸菌LS1も口中で乳酸を産生するわけだが、乳酸菌LS1の場合は、ある程度乳酸を作ると、今度はその乳酸で自らが死滅する。右のLactobacillus gasseri(L.gasseri)は腸内から分離された乳酸菌だが、この菌が乳酸に強い耐性を示したのに対し、乳酸菌LS1は乳酸濃度50mM以上で急激に減少した。乳酸に耐性があると際限なく乳酸を産生して、口中を虫歯になりやすい酸性状態にしてしまう(S.mutansはこのような性質を持つ)。そのため乳酸菌LS1のこの性質は、虫歯予防を考える上で非常に重要である。

<乳酸に対する耐性>