乳酸菌LS1の有効性データI(臨床試験)
乳酸菌LS1の効果をヒトの唾液で検証
ヒトの口腔内には腸と同様に、数多くの細菌が棲息している。その種類は700種類以上、数にすると100億を超えると言われている。これらの細菌は口腔内でコロニー(集団)となって、口腔内フローラ(口腔内細菌叢:コウクウナイサイキンソウ)を形成している。口腔内の細菌は、特に唾液の循環が低下する睡眠中に増殖する。そのため起床時の口腔内細菌は1日のうちで最も多い。反対に食後は、唾液や飲食物によって細菌が流されるので、細菌数が一時的に減少する。
その結果、口腔内の総菌数は
とくに変化が認められなかった。
その結果、口腔内の総菌数は唾液総量あたり服用前後とも108.6CFUで、特に変化は認められなかった。
歯周病菌は4週で1/20に減少
ところが、黒色色素産生嫌気性桿菌数(歯周病菌P. gingivalis、P. intermedia、P. nigrescensを含む)は、服用前が106.6CFUであったのに対し、服用4週後には105.5CFUと約1/20に減少していた。口臭に対する効果も確認
またボランティア57名のうち、実験開始時にハリメータ(口臭測定装置)による口臭測定で「口臭あり」と判定された20名のうち、約2/3で服用8週間後に口臭の消失が確認された。また服用8週間後に依然として「口臭あり」とされた人についても、明らかな口臭の減少が認められた。先の結果から推察すると、これは乳酸菌LS1によって、口臭の原因菌でもある歯周病菌が減少したためと考えられる。
乳酸菌LS1は虫歯菌の
不溶性グルカン産生を抑制
ところが虫歯菌が分泌する不溶性グルカンに関しては、服用前が9.9mg、服用4週間後が7.6mg、服用8週間後が4.2mgで、乳酸菌LS1が虫歯菌による不溶性グルカンの産生を抑制することがヒトでも確認された。不溶性グルカンが作られなければ、虫歯菌が歯の表面に長時間付着することもなくなる。従って虫歯菌そのものが減少しなくても、虫歯の発症を抑えると予想される。
口腔内の乳酸菌は増加しない
乳酸菌の作る乳酸によって口中が酸性に傾くと、虫歯ができやすくなるという反論が出るかもしれない。これに対して、試験管内実験では、乳酸菌LS1は乳酸に耐性を持たないことを確認したが、本臨床試験ではヒト口腔内の乳酸菌数を測定することで、乳酸菌の口腔内での生存数を調べた。その結果、毎日1億個もの乳酸菌LS1を服用したにもかかわらず、服用前後で菌数に変化は見られなかった。これは乳酸菌LS1が乳酸に対して耐性を持たず、口腔内である程度機能すると、自分が産生した乳酸により死滅してしまうためと推察できる。
pHは中性域に正常化された
また唾液のpH値を測定したところ、服用前「やや酸性」だった人は、服用4週間後以降は「中性」に移行し、またアルカリ性に傾いていた人も中性に戻った。これらの現象は歯周病ならびに虫歯予防の観点からは好ましい変化と考えられた。これは乳酸菌LS1が口腔内フローラに加わったことで、口腔内細菌叢が正常化したためと考えられる。これらの結果から乳酸菌LS1の摂取により口中が酸性化し、かえって虫歯ができやすくなるのではないかという懸念は否定することができた。
乳酸菌LS1の効果
これまでの臨床試験結果を右の1~5にまとめた。総合すると乳酸菌LS1の服用によって、口腔内フローラは改善された。そして歯周病菌や虫歯菌の活動が抑えられることで、口臭、歯周病、虫歯の予防に働くと考えられる。